2024年7月10日~12日の日程で、南部町議会行政視察研修のため広島県に来ています。
視察の目的は次の2点です。
①豪雨災害復興について
→広島市(H26.8月豪雨による大規模な土砂災害がありました。深夜2時~4時の3時間で280mmの集中豪雨があり、複数箇所で土砂災害が発生しました。)
②有害鳥獣対策について
→熊野町、三原市(どちらの市町も山に隣接して市街地があり、特にイノシシの被害に悩まされている。補助金や住民を主体とした取り組みをされている。)
有害鳥獣については私が田畑をもっていないこともあり勉強中の内容ですので、下記には広島市で学んだ豪雨対策と、念願だった原爆ドームの見学について報告します。
●広島市から学ぶ豪雨対策
研修内容の前に…
自分の知識のなさはいつも反省しかないのですが、広島市の人口が118万人もいることに驚く…(;一_一)
青森県120万人ですから、もはや県の規模です。やっていることが。ただ、そういった意味では、基礎自治体としてやることと、広域で取り組まなければならないことの双方を兼ね備えた非常に興味深い取り組みが多かったです。
以下に、研修の中で特に勉強になり、南部町の施策に反映したい内容を挙げます。
★迅速な避難所開設に、自主防災組織と連携
自主防災組織とは、地域住民主体の防災グループです。基本的に行政区ごとに組織することが望ましいとされています。広島市では、1900ある行政区の自主防災組織の人口カバー率は100%だそうです。まず、そこまでもっていくことに本気度が覗えます。
南部町は85%前後と認識しています。
広島市では、H26年の豪雨災害までは「避難所の準備ができてから避難所開設のお知らせをする」という流れだったそうです。
しかし、集中豪雨はその時間的余裕すら与えてくれないことがわかりました。
そこで、各自主防災組織に避難所のカギを渡しておくことにしたそうです。「土砂災害危険度情報(メッシュ情報)」が既定の数値に達したら行政職員の到着を待たずに避難所を開錠していいこととしました。しかも開錠したら負担経費2200円の報奨金支給も規定しました。
私も青森に移住して何度か氾濫の危険は感じてきましたが、この災害は、
・地震と違って、突然起こるわけではない。天気予報などで、ある程度の準備はできる
・「雨が強くなってから」や「夜暗くなってから」では、道路の寸断などで避難が困難になる
という特徴があると思います。
住民自らが、AIによる危険度情報を確認し避難所開設ができるというのは「逃げ遅れ」を防ぐ大きな効果が得られるものと思います。南部町でも「ほっとするメール」などで避難情報を発信していますので、避難所開設までの時間をいかに短くするかということが次の取り組みだと考えます。
★避難のきっかけは?「近所の方の声かけ!」
災害をきっかけに防災情報共有システムを構築した広島市は、実にさまざまな方法で住民への「危険」の周知を図っています。
そして、今の課題は
「実際に避難行動がとれるかどうか」
ということです。
情報があっても、知識があっても、実際に命を守るのは避難という行動です。
そこで広島市は、避難警報に対し実際に避難所へ行った人へ「行動のきっかけになったのは何ですか?」とアンケートをとったそうです。
その結果、一番多かったのは「近所の人の声かけ」‼
うーん、なんかわかる気がします。自分一人大騒ぎすることへの躊躇感て私にもあります。年齢を重ねた人ほど、その気持ちは強いかも。また、災害情報を適切にキャッチできていない人も、実は身近にいるかもしれません。
避難が必要な人に
「ほりゃ、避難所さいくべ‼」
の一言をかけられるかどうかが、命の明暗を分けるんですね。
自主防災組織や、情報発信、防災意識の風化など、地域が抱える問題は共通することが多いです。
しかし、ポイントなることは何なのか、優先順位は何なのかを常に見極めて取り組んでいきたいと思います。
●原爆ドームの見学
残念ながら平和資料館は時間の関係で回ることができませんでしたが、原爆ドームをこの目で見ることで平和の尊さ、それを守る決意を新たにすることができました。
私にできることは何か、基地の問題、原子力の問題、食料の自給率の問題…すべてが関わっています。
いっしょに考え、行動するひと求む!
この気持ちを風化させずにがんばります。